
プロ野球の優勝争いが盛り上がっている。パリーグは西武でほぼ決まり、オリックスが二位を確保できそうで最後の一枠を日本ハムとロッテが争う。セリーグは阪神・巨人の首位争い、広島・中日の三位争いが激しい。90年代後半には熱心に観ていたのだが、ここ数年は惰性で球場に足を運ぶばかりで関心が薄れていた。そんな私も焼きが回ったせいか今年はよく観るようになった。
ほぼテレビ観戦なのだが、試合の中身を楽しむなら球場よりテレビの方が良い。解説付きで情報量も多くてリプレイもあって、ボールはカメラが追いかけてくれるので楽に観れる。以前は球場の雰囲気を楽しみながら観るのが好きだったのだが、メガホン叩いて応援に必死なファンで埋め尽くされた甲子園にかつてのおおらかな雰囲気はない。合併騒動の傷を引きずっているオリックスの微妙な空気感はしっくりこないので京セラドームも足が遠のく。労働の肉体的疲労も相まって自然とテレビ観戦に向かう。
私は阪神ファンだから関西ローカルの阪神戦中継を観るのがメインになる。90年代の低迷期はサンテレビはともかく他の民放の中継はそんなに多くなかったが、最近では阪神の好調にテレビ局の事情も重なってたいていの試合が地上波中継で観れる。都市部の庶民にとってはタダで楽しめる貴重な娯楽だ。それはありがたいのだが、アナウンサーの過剰な阪神寄り、というよりも阪神さえよければ他はどうでもいいといった風な無思慮な発言が目立つ。90年代の低迷期に比べると格段に増えているように思う。虎の威を借る何とやらなのか。実況のトーンも鬱陶しい。ただの外野フライでもホームランを打ったのかという具合に絶叫する。ライトなファン層の受け狙いなのか、知識不足を覆い隠すためなのか。民放の酷さは相変わらずだが、サンテレビの若手アナウンサーもだいぶ酷い。年々酷くなるので、かつて酷いと思っていたアナウンサーが比較的マシに思える。90年代の土門アナのような落ち着いた実況を聴きたいものだ。
プロ野球全体を見渡せば、パリーグならヤフー動画で全試合無料で観れるし、チームや選手の細かいデータもネット上に溢れかえっている。フランチャイズを移転した球団の経営も順調だ。1リーグ騒動以降、プロ野球を楽しむ環境は格段に増えたように思う。だけれども、その影で伝統や歴史が洗い流されて、「その場さえ良ければ後は知ったこっちゃない」というような底の浅いカオスな状況になってしまったように思えてならない。